Technic Library (Outer) No.01

ブルーイングについて

・ブルーイングとは?

ブルーイングとは本来、鉄や鋼などで出来た銃に赤錆を発生させないようにする為に、意図的に黒錆を発生させる事からきている。当初、この方法によって黒錆を発生させられた金属は、表面に酸化皮膜を覆ったことになるため、赤サブが発生しにくくなる。このような黒錆は、現在でも様々な金属部品伝見かけることが出来る。さて、このような黒錆ではあるが、その発生の仕方により青く見えるものがあった。これを意図的に発生させることがブルーイングである。

ブルーイング処理された表面にはいくつかの種類がある。
 ・真っ黒な表面
 ・真っ青な表面
 ・上記2つの中間
 ・ケースは-ドン仕上げ
上記の3つに関しては、ブルーイングをまったく知らない方でも、なんとなく理解できるであろう。最後のケースハードン仕上げとは、表面の一部のみをブルーイングし、模様を出したものである。この模様とは、一般には金属に熱を加えたときに表面に現れるような、縞のような模様である。

・必要な道具

ブルーイングを行うにあたって、様々な道具が必要である。

・ブルー液

まずはこれがないと始まらない。主成分はリン酸からなる酸性の薬品である。そのため、この薬品は毒物である。また、素手で扱うと肌が荒れるので手袋などを着用し扱うことをお勧めする。

・筆、歯ブラシ

ブルー液を銃やパーツに塗り込む為に必要なものである。使用後は良く洗わないと毛先がぼろぼろになるので注意。

・真鍮ブラシ、歯ブラシ

歯ブラシは2回目であるが、こちらは汚れを落とす為に必要なものである。

・各種紙やすり

これは表面を磨く為に使う。出来る限りそろえておくべきであるが、HWの場合なら400,600,800,1000の4種類は用意するべきであろう。

・アクリル板、木材の端材など

これはヤスリを当てるときの当て木として使うものである。

・中性洗剤、シリコンオイル等

中性洗剤はブルーイング前に、シリコンオイルはブルーイング後の仕上げに必要。

以上に示した道具はブルーイングに最低限必要な道具である。

・手順

ブルーイングには様々な手法がある。これらのうちのいくつかを紹介する。

・一般的な方法

一般的な方法A

1:表面を紙やすりで研磨する。
2:ブルー液を表面に塗り、ふき取る。
3:工程2を繰り返し、はじくようになったら水で荒う。
4:シリコンオイルを塗る。

一般的な方法B

1:表面を紙やすりで研磨する。
2:ブルー液を表面に塗り、水で洗う。
3:乾燥後、表面の汚れを落とす。
4:工程2を繰り返し、はじくようになったら水で荒う。
5:シリコンオイルを塗る。

以上に挙げた2例は、いろいろなところで言われている方法である。
しかし、私の経験上、これで綺麗にブルーイングが出来たのはAPSのボルトハンドルのみである。

・キャロム:リアルブルー・スーパードライ技法

これは国際出版社「月刊GUN」に連載されていたブルーイング方法である。
なお、説明にあたって、細かな点などで違いがあるのはご了承いただきたい。

1:まず、紙やすりで表面を研磨する。
2:表面の研磨が終了したら、ブルー液を筆にたっぷりと乗せ、表面に満遍なく付ける。
3:全体に塗ったら、表面を真鍮ブラシで磨く。
4:表面から黒いすすのようなものが完全に落ちたら、またブルー液をつける。
5:2〜4を、表面がブルー液をはじくようになるまで繰り返す。
6:繰り返し工程中、ブルー液が汚れたら新しいものと交換する。
7:表面が完全にブルーになり、すすのようなものが出なくなったら大量の流水で洗う。
8:乾燥後、完成

以上がスーパードライ技法である。
この工程の特徴は水洗いが一回であるということである。
実際にやってみたが、やり方が悪かったのか、うまくいかなかった。
そのため、私はこの技法を多少アレンジした方法を用いている。

・実際に私が使う手順

先日行ったマルシン製組み立てモデルガンのブルーイングを用いて
私が実際に行うブルーイングの過程を紹介する。

まず、基本的なものはリアルブルー・スーパードライ技法と同じである。

1:まず、紙やすりで表面を研磨する。
2:表面の研磨が終了したら、表面を洗剤で洗い、乾燥させる。
3:ブルー液を筆にたっぷりと乗せ、表面に満遍なく付ける。
4:全体に塗ったら余分なブルー液を吸い取り、乾燥後表面を真鍮ブラシで磨く。
5:表面から黒いすすのようなものが完全に落ちたら、またブルー液をつける。
6:2〜5を、表面が均一の色になり、ブルー液をはじくようになるまで繰り返す。
7:繰り返し工程中、ブルー液は2回に一回程度新しいものと交換する。
8:表面が完全にブルーになり、すすのようなものが出なくなったら大量の流水で洗う。
9:乾燥後、オイルを塗り、完成。

大きく違う点は、工程2、4、9である。
工程2は、研磨中についた汗や油を完全に落とすことが目的である。
工程4は、キャロムの方法に乗っていなかった部分であったので自分でよいと思われる工程を加えた。工程9は、オイルを塗ったほうが綺麗であったからである。

では、実際の工程の写真を交えてその工程を詳しく紹介する

以下に示すのは、研磨後の写真である。


研磨前の状態はスライドがかみ合う部分やフレーム中央部分と比べると、フレーム部分が完全に光っていて、表面が滑らかなのが解る。これは、紙やすりで擦る際、力を入れて磨くことにより表面が滑らかになる為、このような光沢が得られる。なお、曲線部分などでは力を入れにくいため、1000番の紙やすりで磨いた後、ステンレス棒などで擦ることにより同様の効果が得られる。

そして、下の写真は研磨したフレームを洗浄したものである。

いっしょに中央部に写っている物はブルーイング工程で用いる工具・道具である。
左から、真鍮ブラシ、筆、フレーム、ブルー液、陶器の皿となっている。

今回のブルーイングでは、綺麗な青を目的としている為、ブルー液はアルミブラックを用いる。

まず、陶器の皿にごく少量のブルー液を入れ、それをたっぷりと筆に含ませる。
そして、フレームにすばやく塗りつけていく。
下の写真は塗った直後の写真である。

急いで撮った為、ピントがずれているが、真っ黒になっているのが解る。
なお、これはまだぬれている状態である。このまま少し置き、表面が乾き始めたときにもう一度塗る。塗り終わったら余分なブルー液をふき取り、乾燥させる。そして、乾燥したら真鍮ブラシで一定方向に磨く。
この磨く方向は銃口側から後ろに向かっていくと、ヘアラインのような仕上げとなる。
以下に、磨いている最中の写真を示す。

赤線より下の部分は磨いていない部分、上は磨いた部分である。写真では白いが、実際には少し青みのかかったシルバーであった。この工程を何回か繰り返しているうちに徐々に青が出てくる。そのとき、好みの青が出ているのであればそこで水洗いし、ブルーイングにストップをかけたほうが良いときがある。以下に示すのはこのまま何回もブルー液を塗ったときの写真である。

写真では黒く写っているが、実際にはこげ茶色である。このまま更にブルーイングを続ければ青になったかもしれないが、青の肯定を過ぎてこの色になったことを考慮し、これは失敗であると判断した。そのため、これにまた紙やすりをかけ、研磨した。以下にその途中の写真を示す。

これはこげ茶色の状態に800番の紙やすりをかけたときの写真である。内部までブルー液が染みているため、多少磨いた程度ではその表面処理をはがすことは出来ない。

右の写真は上の写真の一部を拡大したものである。この写真の中央の丸い部分等の角をを良く見ると、その内側にまでブルー液が染みて、色が変色している。下の部分に入り込んでそれがそのように見せていると思うかもしれないが、実際に見てみるとこの部分は染みているのである。このことから、ブルーイング処理では表面深く迄反応し、その皮膜が丈夫であるということを示している。

そして、その後ブルーイングをやり直し、適度な青の部分で止めて、最後のフィニッシュを行ったものを以下の写真に示す。

写真では解りづらいが、フレーム、スライドともに綺麗なブルーに仕上がっている。また、表面を顔が映りこむほど綺麗に研磨することにより美しいブルーとなる。

上記の写真は本体の側面に付属のカートを乗せた写真であるが、そのカートがスライド、フレームに綺麗に映り込んでいるのが解る。これほどきれいに磨くと、光があたったときにその平面が浮かび上がる為、非常に綺麗に見えるのである。また、ブルーイング中に行った真鍮ブラシの工程は以下の写真のような結果をもたらす。

ヘアラインのような線が残っているのが解ると思う。これにより、よりリアルな表面になるのである。

さて、このブルーイングの過程を紹介する為に載せた写真はすべて同じ日に撮った写真である。特に、最後の3枚の写真は同じ銃を撮ったものであるが、全部色が違うように見える。これはブルーイングによって仕上げられた銃の特徴で、実際に見た通りの色を写真で表現するのは非常に難しい為である。なお、普段は以下の写真のような色である。

実際に手にとってその仕上がりを見ると理解できるのだが、光のあたり方、オイルの加減、指紋などでその光沢が変わり、青、黄色、黒、白といった色が混ざって見えるのである。この色は塗料では絶対に表現できない色なので、是非自分の目でこの色を確認することをお勧めする。

 

 

 

 

 

 

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