Technic Library (Inner) No.03

タナカ M700Pのデチューン

先日タナカのM700Pが発売されました。しかし箱出しでマズルエナジーが2Jを超えるという、一般的なサバゲではかなり危険な数値です。このままではサバゲで使えないため、デチューンを敢行する事にします。

 

・デチューンとは?

デチューンという言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、直訳すると性能を落とす、ということです。しかしトイガンでは性能を落とす、というと一般的には初速、つまり弾の速度を落とすことをさします。まぁ、普通は命中精度を下げても仕方ないですからね。

さて、具体的にはどのようなことをするのかというと、エアーコッキング系(電動ガンも含む)ではピストンのスプリングテンションを下げることで実行することができます。ガスガンの場合はガスの圧力を下げる、発射時のガスの量を減らす、等です。用は初速を上げるときの逆をやれば世言うわけです。

・M700Pの場合

タナカのM700Pは発射エネルギーはHFC134a、つまり分類的にはガスガンです。そのため、初速を落とすためにはガスの圧力を下げる、発射時のガスの量を減らす事となります。
この銃のガスタンクはマガジン内にあり、その注入口は上部、つまり薬室内にあるため、外部ソースにするということは簡単にはできないため、発射時のガスの量を減らすしかありません。

・発射プロセス

デチューンを考察するためにはまずどのような流れでガスが放出されるかを知らなければなりません。そこで順を追って解析します。

1:トリガーを操作し、シアーを外す。

2:ストライカーがストライカースプリングによって前進し、コッキングピースを引っ張り始める。

3:コッキングピース下部がノッカーに衝突、ノッカーが前進。

4:マガジンの外側にあるノッカー受け(?)にノッカーが衝突、マガジン内のバルブシャフト(?)が前進を開始。

5;バルブシャフトがバルブリンク(?)を押し、バルブを押し下げ、開放する。

6:ガス、放出を開始。

7:コッキングピースがリバウンドスプリングにより後退を開始。

8:ノッカーが開放される。

9:ノッカー受け(?)がバルブシャフト(?)のスプリングにより後退

10:バルブリンクが開放され、バルブがバルブスプリングにより閉鎖

11:ガスが放出を停止

以上が発射プロセスですが、7〜9の動作は5以前に行われている可能性もあります。

 

・実際の加工

上記のプロセスにより、ガスの開放時間調節はスプリングのみで行っています。そのためデチューンは意外と簡単にできそうです。

補足:

普通はスプリングのみで行っているのでは?と思った方もいるかもしれないので補足を。
単純なガスガンでは見かけませんが、ガスブローバックの銃では現在ほとんどが機構により放出時間を調節しています。
具体的にはガスルートを発射方向とブローバック側に切り替える部分、そしてスライドが後退するまでバルブを開放しておくバルブロックと呼ばれる部品です。
後者のバルブロックについてはすべての銃についていると言っても過言ではありません。ブローバック不良が頻繁に起こる原因はこれによるものが多いです。
前者に関しては各社が独自の方式を取っています。これは特許の関係もあるのですが…
例えばマルゼンではマガジン内で発射時のガスの負圧によりガスルートを切り替えます。ウエスタンアームズ、KSCではチャンバー内のBB弾の有無によりガスルートを切り替えます。
これらの部品がある場合、単純にガスの放出量を変化させると動作しなくなったり、ブローバック不良になったりと、バランスを考えながら行わなければなりません。

以上のことを踏まえ、デチューンの手段を以下に考察します。

1:ストライカースプリングのテンション低下

上記のプロセス中に出て来るスプリングの中では一番テンションの強いスプリングです。そのため、ガスの開放時間の大部分を握っていると考えられます。テンション低下であるため、部品にかかる負担も減らすことができるというメリットもあります。

2:リバウンドスプリングのテンション強化

ノッカーを押している時間に関与しているスプリングです。このスプリングとストライカースプリングのバランスによりノッカーを押している時間が決まります。なお、二つのスプリングによる移動距離はテンションに関係ないため、移動距離を計算に入れる必要はありません。

3:バルブシャフト(?)のスプリングのテンション強化

ノッカーが開放されたあと、バルブを抑えている時間に関与しています。

4:バルブスプリングのテンション強化

バルブリンク(?)が開放された後のガスの開放時間に関与するスプリングです。

5:ガスルートの絞込み

上記4つの手段と違い、ガスの放出量を直接変化させることができます。

以上、5つの手段が考えられます。さらに相対的なメリット・デメリットを考察します。

これらを踏まえ、1番を行うことにしました。これでうまくいかない場合は5、その後は2,4,3と進めていこうと思っています。

・ストライカースプリングのテンション低下

まずはスプリングを用意しなければなりません。オリジナルのスプリングは線径0.9mm、内径5.5mm程度、長さ60mm程度のものです。テンションを下げるためには線径がこれより細い、内径(外径)が太い、長さが短いのどれかを満たす必要があります。しかし長さは最低60mm必要であり、また、内径が大きくなるとストライカーに引っかかりません。そのため、線径がこれよりも細いものを最優先で探します。

そして、東急ハンズで見つけたのが線径0.8mm、外径8mm、巻き数37巻というステンレス製スプリングです。なお、長さは150mmといったところです。先ほどは書きませんでしたが、ばねの材質によってもテンションは変わります。ピアノ線よりもステンレスの方が柔らかく、テンションを下げるのであればステンレス製を選べば問題ありません。

まず、長さをオリジナルとほぼ同じになるように切断し、取り付けてみました。なお内径が6.4mmであるため、ストライカーに引っかかりません。そのため引っかかる側をペンチで細め,引っかかるように加工します。

この状態で試射したところ、弾が出てきませんでした。ガスは出ているので、ガスの圧力がチャンバーパッキンの圧力より低いためです。その後、2回弾を装填しないで撃ったところ,やっと弾が出てきました。0.05Jといった感じです。

これではさすがに使えないので、切断した残り、長さ約90mmの方を装着し試射したところ、ダンボールを勢いよく貫通するほどになりました。初速は計っていないのでなんともいえませんが、一応下がったような気がします。後日、このスプリングを初速を計りながら少しずつ切り詰め、調節して行こうと思います。

 

・03/08/29追記

先日組み込んだスプリングですが、マガジンにガスを満タンに入れて初速を計ったところ、1.6Jになってました。しかし、このスプリングは縮めてから組み込んであるため、時間がたつと「へたる」可能性があるので切り詰めはもう少ししてからやろうと思っています。

 

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